JR只見線の早期復旧・復興に伴う「赤字ローカル線の災害復旧等を支援する議員連盟」の活動報告
昨年、私は「赤字ローカル線の災害復旧等を支援する議員連盟を立ち上げ事務局長に就任しました。立ち上げに関して、初めは地元からの要望に応えたいという思いから、只々、只見線の早期復旧の事ばかりが頭にありました。会長及び副会長に就いて頂く国会議員の先生方を探すため、一件一件、東京の事務所へお邪魔し、本議連の立ち上げの趣旨にご賛同いただけるように説明し、お願い回りをしました。先生方に説明するからには、現行の鉄道軌道整備法や、現在全国にある赤字ローカル線の状況や、赤字から黒字に変えた事例等、寝る暇を惜しみ且つ、地元へも余り戻らず勉強しました。(この年の冬に選挙があるとは・・・)また岩手県にある三陸鉄道の視察では、震災から復興までの道のりを伺えたため大変参考になりました。
中には賛同を得られない国会議員の先生もおり、何度も挫けそうになりましたが、県選出国会議員の先生方のお支えと、地元からの期待と信頼に答えたいとの思いで諦めずに何度も何度も足を運び説明し進めてきました。議連の立ち上げの準備段階で、会津若松市と横須賀市が姉妹・友好都市である事から小泉進次郎先生へも相談しました。「かんけ先生、わかりました。私も議連のメンバーに加えてください。私は個人的に金山町の炭酸水が大好きです。只見線を復旧させて一緒に炭酸水を全国そして世界へ展開させて観光客が只見線に乗って来てもらいましょう。私たちは菅家と小泉でKKコンビじゃないですか。一緒にやりましょう!」との温かいお言葉も頂きメンバーへ加わって頂きました。その様な事から昨年の初夏、沢山の先生方のご協力・ご理解を頂きまして「赤字ローカル線の災害復旧等を支援する議員連盟」の設立に伴う発起人会及び総会を開催する事が出来ました。
※赤字ローカル線の災害復旧等を支援する議員連盟発起人会の写真
本議連の立ち上げに際しては、岩城光英先生を中心に吉野先生など福島県選出国会議員の先生方にご相談いたしました。只見線の問題に関しては一致団結した上で早期復旧対応を行うという事でご理解とご協力を頂きました。そのようなことから、只見線のような災害でダメージを受けた路線の復旧後の事や、全国にある赤字ローカル線をどの様に対応するべきかを考えなければならない気持ちになりました。その点も踏まえて早急に本議連を立ち上げて前に進めていかなければならないとの思いになりました。
※赤字ローカル線の災害復旧等を支援する議員連盟設立総会の写真
【赤字ローカル線の災害復旧等を支援する議員連盟 設立趣旨】
現行の鉄道軌道整備法は、黒字鉄道会社が運営する赤字路線の災害復旧を行う場合、鉄道事業者が経営黒字の場合、国は補助・助成が出来ない制度となっています。従って本議連では、条件として「激甚災害の指定を受けた災害であること」「被害を受けた路線の年間収入よりも復旧費用が多く発生する場合」「被害を受けた路線が過去3年間赤字の場合」は、関係地方公共団体が負担する金額と同額を補助するという事が趣旨です。次は復旧助成後の対応です。
国として財政支援を通して、現行法と別で現在自民党が積極的に遂行している東京の一極集中を是正する「地方創生」へと繋げ、当該沿線の地域・ 住民の生活基盤を更に充実させるだけではなく企業誘致や観光促進を図り、将来的には、全国の鉄道を活かし関係各自治体と連携を取りながらスポットライトが浴びない地方へも地域活性化としてスポットライトを浴びて頂くような取り組みを行う必要がございます。全国の赤字ローカル線が次々と姿を消し、益々疲弊している地域が多く存在する中、これ以上の進行を加速させないように、赤字ローカル線と地方を救う事が私が国会議員となった使命でもあります。また議連の会長に宮路和明先生(現在はご引退され、地盤を息子さん、宮路拓馬さんへ引き継いでおります。息子さんも本議連のメンバーです)、副会長に坂本剛二先生、金子原二郎先生、今村雅弘先生方に就いて頂き発足いたしました。
【赤字ローカル線の災害復旧等を支援する議員連盟 只見町及び金山町の視察】
早速、その年の夏に、議連のメンバーと只見線の視察に伴い只見町と金山町へ行きました。2011年7月26日から7月30日かけて発生した新潟・福島豪雨災害で只見川が氾濫しダメージを受けて激甚災害に指定された只見町は、未だ、只見線の復興の計画が無く、放置されたままの為、当時の被害状況の説明や、只見町・金山町の特性そして地域住民との意見交換会を行いました。意見交換会の中では、黒字路線の山手線等を運用しているJRが、赤字ローカル線の岩泉線(岩手県宮古市)中心に廃線とするのは、分割民営化の趣旨に反する等の意見や赤字ローカル線を中心に観光列車を設け、中心市街地活性化法の利用を検討した上で進めて行く等の意見や、当時、洪水の際のオペレーション対応の在り方等の意見が活発に交換されました。
【只見線の視察後の議連総会】
只見線の視察の結果報告を議連のメンバーの皆様へ情報共有のため、フィードバックしました。フィードバックした内容を踏まえて、次は具体的に鉄道軌道整備法をどの様な項目にて一部修正するか等の意見を皆様から頂戴した上で、着手していくこととなりました。
【鉄道軌道整備法の一部改正に関する議連の総会】
前回の議連の総会で皆様から出た意見を取りまとめた上で、鉄道軌道整備法改正のイメージを国土交通省鉄道局等、関係各省庁の担当部門と共に作成した内容を説明しました。鉄道軌道整備法改正のイメージについても、連日関係各省庁と打合せを重ねて作成しました。何度も修正・訂正を重ねて作成しましたが、いざ議連の総会で説明してみると、再び、様々な修正・訂正した方が良い等の意見が多く、議連の総会後、速やかに関係各省庁担当部門をお呼びして修正対応を重ねました。この日以降2回ほど議連の総会を開催いたしましたが、様々な修正・訂正等のご意見を頂戴し、その対応に追われました。丁度、秋も終わる頃、皆様の意見が揃い正式に鉄道軌道整備法改正案が出来ました。今年度中に国土交通部会による部会長承認及び国土交通委員会での採決、衆議院本会議での賛成多数による可決で進めて行く予定でしたが、急に衆議院が解散する事になってしまいました。
【「赤字ローカル線の災害復旧等を支援する議員連盟」の総会で只見線の復旧支援等で新展開】
2015年5月22日に本議連の総会を開催しました。前回の選挙で宮路和明会長がご引退され、息子さんの宮路拓篤先生が後継で当選されたことにより、役員の改選をおこないました。新会長に佐藤信秋先生に就任して頂き、私は引き続き事務局長に就任いたしました。赤字ローカル線を守るため、引き続き黒字会社でも国が財政支援できる法律改正を目指して参ります。再度、本改正案の趣旨を申し上げますと全国に存在する赤字ローカル線が激甚災害指定の被害を受け場合、「その復旧費用が被害を受けた路線の年間収入以上の多額である事」「被害を受けた路線が過去3年間赤字である事」そして「関係地方公共団体が復旧費用の一部を補助する場合、国はその同額を補助し、復旧させ地元住民の生活等を守る事」が目的です。そのために鉄道整備軌道法令を改正するものです。また災害復旧事業に係る補助割合を1/3に見直しするものでもあります。只見線の復旧の為にも今後も引き続き本改正案の成立に向けて全力で取り組んで参ります。